天然ガス自動車
の
普及に向けて
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天然ガス自動車の普及に向けて
⑶ 天然ガス自動車のCO₂排出量
・小型バンでガソリン代替の場合
天然ガス自動車は、燃料種の違いによりCO₂排出量が20%弱削減できます。(図4参照)
・トラックでディーゼル代替の場合
大型天然ガストラックと大型ディーゼルトラックのCO₂排出量の実測値は、走行実験の算定から表2の通りとな
りました。
表2 大型トラック走行実験
※7
走行実験の概要
実 験 日
2011年9月2日〜 4日
走行区間
大阪〜東京2往復(高速道路利用)
車 種
車 両
Ⓐ
Ⓑ
Ⓒ
分 類
大型天然ガストラック 大型ディーゼルトラック 大型ディーゼルトラック
車 種
いすゞGIGA改造車 いすゞGIGA 三菱ふそうスーパーグレート
PDG‐CYJ77WS改 PDG‐CYJ77WS
PJ‐FS54JVZ
排 気 量
9.83L
9.83L
12.88L
車両総重量
11,620㎏
11,320㎏
11,880㎏
積 載 重 量
10,000㎏
10,000㎏
10,000㎏
※貨物積載条件として10トンのダミー貨物を積載
実験結果
車 両
走行距離
燃料消費量 CO₂排出係数 1㎞当たり排出量
Ⓐ天然ガス
2,068㎞
568.9㎥ 2.22㎏‐CO₂/N㎥ 609.7g‐CO₂
Ⓑディーゼル
2,085㎞
604.0L
2.59㎏‐CO₂/L
750.0g‐CO₂
Ⓒディーゼル
2,100㎞
594.3L
2.59㎏‐CO₂/L
732.7g‐CO₂
※CO₂排出係数は標準発熱量に単位発熱量当たりCO₂排出量を乗じて算定
大型天然ガストラックは、大型ディーゼルトラックに比べ1㎞当たりの排出量平均で、約18%のCO₂排出削減効果。
3.4 経済性
⑴ 2040年までのエネルギー需要見通し
IEA(国際エネルギー機関)が毎年発表する World Energy Outlook 2015(WEO2015)によると、天然
ガスの需要を下記のように見通している。
・世界の天然ガス需要は、2013年時点の約3,057bcm(1bcm=10億㎥)から、新政策シナリオでは、2040
年に約5,160bcmへ年率約1.4%伸びる見通しである。
・2040年までの世界全体の天然ガス消費量増加分の約85%はOECD非加盟国で、特に中国と中東で消費量
が増大する。中国のガス消費量は2040年には現在の約3.4倍、中東のガス消費量は2025年にはEUのガス
消費量を超える見通しである。
※7 みずほ情報総研㈱「業務用車両のCO₂排出量削減試算」より