天然ガス自動車
の
普及に向けて
25
参考資料
※12 環境省地球環境局「実行計画策定マニュアル及び室温効果ガス排出量算定ガイドライン」 平成19年3月
※13 化学便覧 第6版 応用編 丸善、燃料便覧コロナ社、他
※14 BP Statistical Review of World Energy June 2016
5.1.2 天然ガスの一般的特徴
⑴クリーンなエネルギー
天然ガスは、メタンを主成分としたガスで、硫黄分、その他の不純物を含まないため、燃やしてもSOxやススを
ほとんど発生せず、また地球温暖化の原因物質の一つであるCO₂の排出量も石油より約25%少ない事が特徴です。
さらに、光化学スモッグや酸性雨の原因となるNOxの
排出量が少ない環境性に優れたエネルギーです。
⑵ 高い安全性
天然ガスは、空気より軽く、液体燃料のように地上に滞留せず、上方に拡散します。燃焼下限界(燃焼する
ことのできる空気中の燃焼濃度の下限)が、他燃料に比較して高い(約4.5%)こと、自然発火温度も高いこと
から他燃料と比較して安全性が高いエネルギーです。
また、天然ガスにはCO等の毒性物質が含まれていませんので、ガス中毒の心配はありません。
表8 各種燃料の物性比較
※13
メタン プロパン ブタン ガソリン 軽 油 水 素
対空気比重(空気=1) 0.55
1.52
2.01
3.4
4.0
0.07
自然発火温度(℃) 537
432
365
300
260
500
可燃範囲(空気中、体積%) 5.0 〜 15.0 2.1 〜 9.5 1.8 〜 8.4 1.0 〜 7.6 0.5 〜 4.1 4.0 〜 75.0
単位体積あたりの総発熱量(MJ/ℓ)
※
39.8
25.6
28.9
34.6
37.7
12.8
オクタン価
約130
125
約95
90 〜 98
-
-
※メタン、プロパン、ブタンは気体で貯蔵した場合(MJ/㎥)、他は液体で貯蔵した場合。
5.1.3 供給の安定性
天然ガスは、世界各地に広く豊富に埋蔵されています。埋蔵量は2015年現在で約187兆㎥(非在来型を除く)
が確認され、年間生産量で割った可採年数は54年になります。
さらに新しいガス田が次々に発見され、シェールガスなどの非在来型ガスを含めると回収可能な埋蔵量は約230
年分といわれています。
中東
欧州・東欧・中央アジア
アフリカ
アジア・大洋州
日本
BP統計資料 2016
(単位:兆㎥)
中南米
80.0
24.5
14.1
15.6
0.04
7.6
北米
天然ガス確認埋蔵量
合計
186.9
兆㎥
12.8
ロシア連邦
32.3
図16 主な天然ガスの確認埋蔵量の地域構成
※14
軽油
ガソリン
天然ガス
LPG
100
98
74
87
図15 燃料自体のCO₂排出量比較
※12