2004年5月13日

都市ガスから純水素をコンパクト・高効率で製造する
高純度水素製造システムを開発しました。
 

社団法人 日本ガス協会

 

(社)日本ガス協会は、水素分離膜を用いることにより、従来の水素製造システムと比較して、大きさが3分の1とコンパクトな40Nm3/h級高効率水素製造システムを開発し、その運転試験において、水素製造効率72%、製品水素純度99.999 %以上という初期性能を確認しました。これにより、小型、シンプル、高効率な高純度水素製造システムを実用化できる見通しを得ることができました。

 

日本ガス協会では2000年7月から、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「固体高分子形燃料電池システム化技術開発事業 水素分離型改質技術開発」を通じ、都市ガスから純水素を製造する水素分離型リフォーマの実用化技術開発に取り組んでいます。水素分離型リフォーマは、水蒸気を加えた都市ガスから水素を作り出す改質触媒層の中に、水素だけを透過するパラジウム系合金薄膜を使用した水素分離膜モジュールが埋め込まれており、改質反応と水素精製を単一の反応器で行うことができます。

 

今回の開発で、水素分離型リフォーマを搭載した高純度水素製造システムの基本技術を確立できたことから、今後も、燃料電池コージェネ用燃料処理装置、燃料電池自動車向け水素供給ステーションなど、幅広い用途向けに実用化技術開発を推進していきます。

開発した水素分離型リフォーマは、JHFCプロジェクト(水素・燃料電池実証プロジェクト(Japan Hydrogen & Fuel Cell Demonstration Project))で建設・運用されている千住水素ステーション(東京ガス(株)千住事業所構内)の一角に設置して試験を実施しています。(なお運転試験で副生する水素の一部は、千住水素ステーションにて燃料電池自動車へ供給することを検討中です。)

 

 今回の成果については第11回燃料電池シンポジウム(2004年5月18日 タワーホール船堀 江戸川区船堀4-1-1)、第15回世界水素エネルギー会議(2004年6月28日 パシフィコ横浜 横浜市西区みなとみらい1-1-1)で発表する予定です。

以 上
担当:広報部  TEL:03-3502-0112


【添付資料】高純度水素製造システムの説明資料 ダウンロード (476KB・PDF形式)