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天然ガス自動車

普及に向けて

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天然ガス自動車の普及に向けて

天然ガス自動 車の普及に向けて

3.

3.1 天然ガス自動車普及により期待できる効果

⑴ エネルギーセキュリティの向上

輸送用燃料はほとんど石油に依存しています。天然ガス自動車の普及により、輸送用燃料を多様化でき、エ

ネルギーセキュリティの向上が図れます。

⑵ 環境貢献

天然ガス自動車は、光化学スモッグ・酸性雨などの環境汚染の原因となる窒素酸化物(NOx)の排出量が

少なく、喘息など呼吸器疾患の原因となる黒煙や粒子状物質(PM)をほとんど排出せず、大気環境改善に貢

献できます。また、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO₂)の排出量をガソリン車やディーゼル車より低減でき、

地球温暖化防止に貢献できます。

⑶ 経済性

非在来型天然ガスであるシェールガスやCBMの生産拡大により、可採年数の拡大および価格の安定化が見込

まれます。

3.2 エネルギーセキュリティの向上

⑴ 求められるエネルギーセキュリティ

輸送部門のエネルギー源は、大きく石油に依存している中、2011年3月の東日本大震災においてはサプライ

チェーンの寸断によりガソリンスタンドに給油のために長蛇の列ができ、市民生活にも甚大な影響がでました。生

活のライフラインである運送事業者においても、緊急物資を輸送する際、貨物用燃料の軽油の調達に関東地区

だけでなく関西地区においても苦慮していました。一方、天然ガススタンドは一部の津波被害を受けたものを除き、

電源の回復と共に営業を開始できたため、天然ガス自動車のユーザーからは「非常に助かった」と、数多くの

声をいただき、震災後の2週間は関東地区の40ヶ所の天然ガススタンドで充填が20%増加しました。

また、図2のように日本では他部門に比べて運輸部門における石油依存度が高く、大きな課題となっています。

0%

20%

運 輸 部 門

家庭用部門

石油

石炭

天然ガス・都市ガス

電力

その他

97.8

26.7

30.4

34.7

業務用部門

製造業部門

40%

60%

80%

100%

図2 各部門のエネルギー源における石油の割合

※4

※4 経済産業省 資源エネルギー庁 平成26年度総合エネルギー統計