Background Image
Previous Page  31 / 40 Next Page
Information
Show Menu
Previous Page 31 / 40 Next Page
Page Background

天然ガス自動車

普及に向けて

29

参考資料

③デュアルフューエル車

吸入空気に天然ガスを混合させ、着火源として軽油を使用する車両です。ディーゼルエンジンとほぼ同等の

熱効率で、天然ガスがなくなっても、軽油だけで走行が可能です。海外では、VOLVO TRUCKがこの技術

を利用したディーゼル・デュアルフューエル車を2011年より欧州四ヵ国で販売開始。日本においても排ガス性能

の向上に向けた技術開発が必要です。

④ハイブリッド車

天然ガスエンジンに電気モーターを組み合わせた車両です。これまでは試作車両だけでしたが、2012年か

ら改造車の販売が始まりました。

カムリハイブリッド CNGバイフューエル(エフ・ケイメカニック)     トヨタSAIハイブリッド CNGバイフューエル(HKS)

⑵ 液化天然ガス自動車(LNG自動車)

天然ガスを液体状態(-162℃)で、超低温容器に貯蔵する車両です。日本では、国土交通省の次世代低

公害車開発促進事業において、大型LNGトラックによる公道走行試験を平成21年度に実施しました。1,200km

の無充填走行を達成し、日本ガス協会は『LNG自動車構造基準』を策定しました。長距離移動を必要とされる

北米、欧州、豪州、中国等で開発が盛んで実用化もされています。日本ではBOG

(※18)

処理の課題もあり、ま

だ実用化されていませんが、今後技術開発が進めば長距離移動が必要な車両での普及が期待されます。

⑶ 吸着天然ガス自動車(ANG自動車)

天然ガスを、ガス容器内の吸着材に吸着させ、圧力数MPaで貯蔵する車両で、試験研究の段階にあります。

5.2.2 天然ガス自動車の構造

天然ガス自動車の構造は、燃料供給系を除

いてガソリン車とほぼ同じです。

燃料の天然ガスは、ガス充填口を通して、

自動車に搭載されたガス容器に最高圧力

20MPaで充填されます。また運転時には、ガ

ス容器から燃料配管を通り、レギュレータ(減

圧弁)で減圧されてインジェクタでエンジンに供

給されます。

ガス充填口

ガス容器

燃料配管

燃料フィルタ

レギュレータ(減圧弁)

インジェクタ

燃料遮断弁

図20 小型バン(例)

※18 BOG(Boil Off Gas):LNG貯槽への入熱によりLNGの一部が蒸発して発生したガスのこと。