天然ガス自動車
の
普及に向けて
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世界における次世代自動車の主流は天然ガス自動車
2.4 アジアでの普及状況
イラン、パキスタン、インド、中国といった天然ガスを産出する国々では自国資源の有効利用と大気環境改善の
観点から、天然ガス自動車の普及が進められています。
インドでは、大気環境改善のために、ディーゼルのバス、オート三輪車、商用車の天然ガス自動車化に焦点を
あて、2015年3月現在、約180万台が普及しています。
天然ガススタンドは936ヶ所となっています。
また石油価格の高騰などもあり、中核都市でCNG
乗用車市場が急成長しています。安価な改造キットに
よる改造が主ですが、マルチスズキ、タタ自動車など
OEMメーカーが増えてきています。フィアットインディア、
ホンダカーズインディアもCNG車を発表しました。インド
政府は天然ガススタンドの建設にも力を入れており、国
土全部に天然ガススタンドを完備する計画をもっていま
す。
中国は急速なモータリゼーションの発達と都市部への急激な人口増加、国産石炭の大量使用で大気汚染が
進みました。2008年の北京オリンピックを契機に天然ガス自動車の大量普及が進められ、2015年3月現在約400
万台が普及しています。自動車メーカーでは安凱客車、宇通客車、金竜汽車など業界大手が参入しています。
天然ガススタンドは約6,500ヶ所となっています。
中国政府は安定した天然ガスの確保と活用のため、総延長7,000㎞の天然ガスパイプラインを2本、西域から
沿岸部まで通し、北京市の4,000台の路線バスを天然ガス化するなど積極的な天然ガス自動車の普及を進めまし
た。また、LNG車についても世界最大の保有国で、トラック、バスは2009年頃から普及が始まり、2015年度には
16万台を超えたと推定されています。
韓国では1998 〜 99年に4台のCNGバスを2都市で試験走行したことを皮切りに、都市部での大気環境改善
(NOx、PM削減)を目的に、政府の強力な普及施策によって、韓国全土の公共バス約3万台が天然ガス化さ
れ、ソウル市に限れば市内の路線バスの天然ガス化が完了しました。また、現在天然ガススタンドは201ヶ所となっ
ています。
マルチスズキ アルト、WagonR、Eeco、他
タタ CNGハイブリッドバス/ CNG乗用車
中国のCNG / LNGバス・トラック
オートリキシャ
インド天然ガススタンド