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天然ガス自動車に期待できる効果

エネルギーセキュリティの向上

天然ガスは、産出地域が世界各地に分散しており、大規模埋蔵地域が集中する石油よりも価格変動や輸出入のリスク分散が可能です。日本は1969年のアラスカからのLNG導入後、オーストラリア、マレーシア、カタール、ロシア、インドネシア、アラブ首長国連邦などからLNGを導入しています。シェールガス革命により生産の拡大している米国からの輸入など、LNG調達先の多様化が進んでいます。
日本における原油、天然ガスの国別輸入比率(2023年度)
日本における原油、天然ガスの国別輸入比率(2023年度)

燃料多様化

日本では輸送用燃料のほとんどを石油系燃料(ガソリン、軽油)に依存しており、大きな課題になっています。
天然ガス自動車の普及により、輸送用燃料を多様化でき、エネルギーセキュリティの向上が図れます。
各部門の石油依存度
各部門の石油依存度

交通・物流ネットワークの強靭化

天然ガススタンドのガスは中圧で供給されており、そのガス管は東日本大震災クラスの地震にも十分耐えられる構造のため、災害後のスタンド営業継続に支障をきたすことなく、交通・物流の強靭化に大きく貢献できます。
2011年3月の東日本大震災においてはサプライチェーンの寸断によりガソリンスタンドに給油のために長蛇の列ができ、市民生活にも甚大な影響がでました。
生活のライフラインである運送事業者においても、緊急物資を輸送する際、貨物用燃料の軽油の調達に関東地区だけでなく関西地区においても苦慮していました。
一方、天然ガススタンドは一部の津波被害を受けたものを除き、電源の回復と共に営業を開始できたため、天然ガス自動車のユーザーからは「非常に助かった」と、数多くの声をいただきました。震災後の2週間は関東地区の40ヶ所の天然ガススタンドで充填が20%増加しました。
天然ガススタンドへのガス供給イメージ
天然ガススタンドへのガス供給イメージ