建物概要
所在地石川県金沢市
新築/既存既存(1987年竣工)
建物構造地上4階 S造
延床面積5,446㎡
竣工年月2021年4月
ガス設備GHP
ZEB化の概要

ZEB化の取組み

①断熱と日射遮蔽による空調負荷の低減

  • 屋根、外壁、土間下に断熱材を敷設。窓には真空ペアガラスを採用。軒の出の深い庇と外部ルーバーにより日射を遮蔽
  • 外皮断熱と日射遮蔽により熱の出入りを抑制し、空調負荷を低減。空調設備の大幅なダウンサイジングを実現

②既存棟の空調設備を更新し増築棟と併せてZEB化

  • 増築棟建設に合わせて既存棟の空調設備を更新
  • レイアウト変更に合わせて高効率なGHPに更新

主な導入設備

外皮断熱Low-E複層ガラス
空調GHP
換気全熱交換器
照明LED照明
給湯ヒートポンプ給湯器
再エネ太陽光発電

主要ガス設備

  • 既存棟、増築棟ともに高効率GHPを採用。省エネ性のみならず、エネルギーの多重化によりレジリエンスも強化
  • ピーク電力の削減により、電気需要の最適化にも貢献
設備容量合 計:566kW
既存棟:56kW×3台、85kW×2台
増築棟:45kW×1台、56kW×2台、
    71kW×1台

高効率GHP

その他の導入設備

出典:株式会社髙屋設計環境デザインルーム


庇(食堂バルコニー)

軒の出の深い庇で東面の日射遮蔽


ルーバー

東西縦ルーバーにより日射遮蔽を行う


太陽光発電設備

太陽光による創エネルギー
発電容量:31.2 kW
実績発電量:41,000kWh
(2021年度)

(参考) ZEBリーディング・オーナー導入計画はこちら
https://sii.or.jp/file/zeb_leading_owner/ZEB2020L-00022-P_01.pdf

出典:SIIウェブサイト


高断熱化と日射遮蔽による空調設備のダウンサイジング

  • 外皮断熱や日射遮蔽の強化により室内負荷を抑制し、空調の設備容量を削減
  • 運転効率向上によるランニングコスト削減とイニシャルコスト低減を両立

システム全体図

ZEB化の経緯・担当者のコメント

ZEB化の経緯・きっかけ

電気制御ユニットや給湯器用のリモコンなどを製造しているアール・ビー・コントロールズ株式会社では、設立50周年のタイミングで本社ビルを増改築し、SDGsの取組みとして建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の最高ランクである5つ星および「ZEB Ready」認証を取得。


スケジュール

2020年2月ZEBの検討開始
2020年4~9月設計
2020年9月~2021年3月竣工
2021年4月竣工


ZEB化の成功要因

  • アール・ビー・コントロールズ
     生産技術部責任者 中川祐孝様

今回の本社改修は当社の技術力を向上する意味合いも含めて開発環境、生産のための環境、顧客提案の土壌を整備するために戦略的に行った。例えば、これまで外部で実施していた一部の燃焼試験を社内で実施できるように改修し、機器開発の迅速化を目指した。


  • 設計を担当された髙屋設計環境デザインルーム
     代表取締役 髙屋利行様

増築棟の断熱性能向上はイニシャルコストがかさむが、ZEBという高いレベルを達成すれば国の支援もある上、光熱費が下がりランニングコストも下がる。既存棟をどう有効活用するかも大きな課題だった。その中で最適解を探り、それにアール・ビー・コントロールズ様が理解を示してくれた。


ZEB化による効果

  • アール・ビー・コントロールズ
     品質保証部 山田友香理様

以前、既存棟では空調だけでは寒く、ガスファンヒーターを併用していたが、増築棟では断熱性能が高くなったのでGHPだけで充分暖かい。一方で、増築により延床面積はほぼ倍になったが、実際に増えたガス使用量は2%だけで、ZEBの効果を感じている。またBEMSにより効果が見えるようになったことで省エネへの社員のやる気が増している。


  • アール・ビー・コントロールズ
     生産技術部責任者 中川祐孝様

当社はカーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギー由来の電力を購入しているが、次はカーボンニュートラル都市ガスの購入も検討したい。




ZEB化前後のエネルギー使用量比較


  • 高断熱化等による空調負荷の削減と空調設備の高効率化・最適容量化により大幅な省エネを実現
  • 増築後は空調面積が約8割増加したにもかかわらず、ガス使用量は2%程度しか増加せず
  • 空調単位面積あたりで比較すると約44%も低下

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