都市ガス事業について
都市ガス事業は、主に都市部に広く敷設された導管によりガスを供給する事業です。
導管網の規模の経済性を活かして効率的にガスを供給することを特徴としているため、都市ガス事業者(一般ガス導管事業者)は、各地域の都市部を中心に全国に遍在し(約200事業者)、その普及エリアの合計は、国土面積の約6%にとどまっています。
都市ガスの原料には、主に天然ガスが使われており、その大部分は海外から液化天然ガス(LNG)として輸入されています。そのため、日本のガス導管網は、需要地近隣の港湾地域につくられたLNG受入基地を起点として、需要の拡大に応じて扇形に整備されてきました。こうした事情などから、日本のガス導管網は全国的につながっていない状況にあります。これは、送電線・配電線を持つ事業者(一般送配電事業者)10社により全国的に送配電網が網羅されている電気とは大きく異なります。
また、電気はほぼ全ての世帯で使用されているのに対して、都市ガスは、熱源として電力や石油、LPガスなど他燃料と厳しい競争を行っており、普及率は約5~6割となっています。
都市ガス事業は、1995年に工場など大口のお客さまへのガス小売が自由化されて以降、段階的に自由化範囲が拡大され、2017年4月には小口(家庭用)のお客さまを含めた全てのお客さまに対するガスの小売が自由化されました。このガス小売全面自由化により、既存の都市ガス事業者が幅広く行ってきた保安業務のうち、ガス機器の調査・危険発生防止の周知に関わる保安業務は、新規参入事業者を含むガス小売事業者が担うことになりました。(自由化については、以下の「新しいガス事業制度について」をご覧ください。)