都市ガス事業者の地震対策
都市ガス事業者の地震対策は、大きく3本の柱で構成されています。
地震対策の3本の柱
設備対策
地震に備えた事前の対策として、地震に強いガス管を積極的に導入・促進し、地震による被害の軽減に努めています。
緊急対策
地震発生時の対策として、地震の規模等に応じたガスの供給を停止し、二次災害の防止に努めています。
復旧対策
地震発生後の対策として、大規模な災害発生時には、全国のガス事業者が相互に支援する体制を敷き、業界を上げてガス供給の早期再開に努めています。
設備対策
設備対策では、地震に強いガス管を積極的に導入・促進し、地震による被害の軽減に努めています。
地震に強いガス管として、特にポリエチレン管(PE管)等の導入・促進に努めており、この10年間でPE管の累計延長は大幅に増加しました。
PE管を含む低圧本支管の耐震化率は、89.5%(2018年末)となっています。
地震や腐食に強いポリエチレン管(PE管)
ポリエチレン管の引張試験状況
ポリエチレン管は強度と延性(伸びやすさ)を兼ね備えており、地震でガス管に力が加わってもガス漏れが発生しません。
低圧本支管の耐震化率(全国平均)
※ガス安全高度化計画、国土強靱化計画、首都直下地震緊急対策推進基本計画、南海トラフ地震防災対策推進基本計画
緊急対策
緊急対策では、地震の規模等に応じたガスの供給停止により、二次災害の防止に努めています。
実際に地震が発生した場合には、二次災害防止のために、揺れの大きかった地域のガスを速やかに停止します。ガスの供給エリアをあらかじめ細かく分割し、そのエリアごとの揺れに応じて供給停止の是非を判断することで、停止範囲を最小化するようにしています。
また、お客さま宅ではマイコンメーターを設置し、震度5相当以上の強い揺れを感知すると、家屋内へのガスの供給を自動的に停止します。これにより、お客さま宅内を含めて二次災害の危険性を排除しています。
- 単位ブロック:
- 供給停止ができる最小範囲
- 統合ブロック:
- 複数の単位ブロックをまとめたブロック
複数の単位ブロックをまとめて供給停止する場合に利用する
- ガバナ:
- ガスの圧力を調整する装置(整圧器)