ガスコージェネレーションシステムの概要
ガスコージェネレーションシステムとは
1つのエネルギーから複数のエネルギーを同時に取り出すシステムが「コージェネレーションシステム」です。ガスコージェネレーションシステムは、都市ガスを燃料としてガスエンジン、ガスタービン、燃料電池で発電します。この時に生じる排熱で蒸気や温水を発生させ、生産プロセス・給湯・冷暖房などに利用するしくみです。

ガスコージェネレーションシステムの種類
ガスコージェネレーションシステムには、ガスエンジン、ガスタービン、燃料電池の3種類があります。

発電効率が高く、安定した出力を発揮します。排熱から「温水のみ」または「温水・蒸気」を取り出せるため、さまざまなニーズに対応できます。

小形・軽量でありながら大出力を取り出せる。排熱回収効率が高く、多くの蒸気を取り出せるため、熱負荷が大きいお客さまにおすすめです。

都市ガスから取り出した水素と空気中の酸素を電気化学反応させて、電気をつくります。ガスエンジンやガスタービンよりも高い発電効率が実現できます。
ガスコージェネレーションシステムの特長
効率性(省エネ・CO2排出削減)
省エネルギー
ガスコージェネレーションシステムは、電気を使用する場所で発電する「分散型発電システム」です。従来システムのような送電ロスもなく、発電と同時に発生する熱を有効利用できるため、高いエネルギー効率が実現できます。

CO2排出削減
発電時の排熱を有効利用することで、従来システムより約37%のCO2削減を実現できます。

計算諸元
●系統電力の排出係数0.60kg-CO2/kWh(「地球温暖化対策計画2021年10月」における2030年度火力平均係数)●都市ガスの排出係数2.05kg-CO2/Nm3(温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度の省令値)●都市ガスの単位発熱量40.6MJ/Nm3(LHV基準)●ガスボイラ効率90%(LHV基準)●ガスコージェネレーション発電効率40%、排熱回収効率30%(LHV基準)
節電・電力負荷平準化への貢献
電力需要のピーク時に運転することで、夏季昼間などのピークを抑制し、節電や電力負荷平準化に貢献します。契約電力や購入電力の削減により、電力料金を低減することができます。

エネルギーセキュリティの向上
自然災害等により万が一停電になった場合でも、ガス供給が継続されている限り、ガスコージェネレーションシステムにより重要負荷への長時間、安定した電力を供給することが可能となります。ガスコージェネレーションシステムは、事業継続計画(BCP)、レジリエンス強化の観点でも有効なシステムです。

再エネとの調和(調整力、DR活用)
ガスコージェネレーションシステムは、起動性、負荷追随に優れた安定した電力であるため、出力が不安定な太陽光や風力等の再生可能エネルギーの出力調整機能としての役割を担うことが可能です。
また、ガスコージェネレーションシステム等の点在する分散型電源を、遠隔・統合制御して、あたかも一つの発電所(VPP※)のように機能させることで、電力の需給安定化に貢献します。
※VPP:Virtual Power Plantの略、仮想発電所

スマートエネルギーネットワーク
「スマートエネルギーネットワーク」とは、コージェネ レーションシステムを含む分散型エネルギーシステムとと もに、再生可能エネルギー・未利用エネルギーを導 入して、地域で使用する熱と電気をネットワーク化するとともに、ICT(情報通信技術)の活用 によりエネルギーの需要と供給を最適に制御するシステムです。エリア全体で電気と熱の需給を最適化することにより、単一の事業所・施設では困難なより高い省エネ・省CO2を実現することが可能となります。
