日本ガス協会

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都市ガス事業について

都市ガス事業について

ガス小売全面自由化の経緯などについて

自由化の経緯

お客さまが都市ガスを供給する事業者を選ぶことのできる自由化は、1995年以降、大口分野(工場など向け)から段階的に範囲が拡大されてきました(図A)。2017年4月には全面自由化され、ご家庭でも事業者を選択できるようになりました。

都ガス事業の部分自由化
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ガス小売事業は地域独占撤廃

小売全面自由化前は、ガス導管を維持・運用し、供給区域の小口のお客さまに独占的にガスを小売供給する図B①「一般ガス事業」、ガス導管を維持・運用し、ガスの卸供給や大口のお客さまへの小売供給を行う②「ガス導管事業」、大口のお客さまにガスを販売する③「大口ガス事業」の三つに分類されていました。

小売全面自由化後は、ガスを製造する④「ガス製造事業(LNG基地事業)」、自社や他社のガスを輸送する⑤「一般ガス導管事業」、大口、小口を問わずガスを小売する⑥「ガス小売事業」に分類されました。
なお、ガス製造事業は届出制、一般ガス導管事業は許可制、ガス小売事業は登録制となっています。

LNG基地事業は届け出制、一般ガス導管事業は許可制、ガス小売り事業は登録制
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一定の要件を満たす中高圧の導管のみを維持・運用しガスの輸送や託送供給を行う事業は⑦特定ガス導管事業に分類され、小売全面自由化前と同じく届出制となっています。
ガス小売事業では、これまで認められていたガス販売の地域独占はなくなり、料金規制も原則撤廃されました。全てのガス小売事業者が、お客さまのニーズに応えるさまざまな料金メニューを提供できるようになりました。
その一方、一般ガス導管事業はガスの導管網を維持する重要な役割があるため自由化されず、これまで同様、地域独占が認められています。

小売事業者と導管事業者

新たにガス事業に参入するガス小売事業者(新規参入者)は、一般ガス導管事業者と託送契約を締結し、一般ガス導管事業者が所有している既存のガス導管網を利用してお客さまに都市ガスを供給します。
既存の都市ガス事業者は、導管部門とそれ以外の部門の収支を分けなければなりません(会計分離)。これは、新規参入者が、既存都市ガス事業者の導管網を、既存の都市ガス事業者の小売部門と公平に使用できるようにするためです。

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都市ガス大手3社の導管分離

都市ガス大手3社(東京ガス、大阪ガス、東邦ガス)は、お客さまの件数が多く、導管網も大規模なので、より厳格な中立性が求められました。そのため、2022年以降、導管部門とそれ以外の部門をそれぞれ法的に独立した事業体に変更する法的分離が義務付けられました。

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